「火力頼み、危うい」 関電・九電は東電から異例の融通

2014.4.17 23:31

経済産業省が開いた有識者委員会「電力需給検証小委員会」=17日午前、東京・霞ヶ関の経産省(三塚聖平)

経済産業省が開いた有識者委員会「電力需給検証小委員会」=17日午前、東京・霞ヶ関の経産省(三塚聖平)【拡大】

 今夏の厳しい電力需給見通しは、「火力発電頼みの危うさ」(大手電力幹部)を改めて浮き彫りにした。特に関西電力と九州電力は、電源周波数の異なる東京電力からの融通によって、何とか「予備率3%」を確保できるという、まさに綱渡りの状況だ。原子力発電所の安全審査が遅れる中、財界からはいらだちの声が上がっている。

 電力各社は電力需給の逼迫(ひっぱく)時には互いに電力を融通することを決めているが、東西で周波数が異なるため、通常は東日本同士、西日本同士で融通し合う。

 しかし、九州、四国、中国3社に電力を販売する電源開発(Jパワー)の松浦火力発電所2号機(長崎県)が、定期検査中のタービン破損事故で今夏中の再稼働が難しくなり、100万キロワット分が失われる。

 この結果、西日本各社の予備率見通しが悪化。関電と九電は予備率3%を下回るため、東日本の電力会社からの融通を含めた需給見通しを初めてつくった。

 東電は8月、周波数変換設備を経由して計58万キロワット(関電38万キロワット、九電20万キロワット)を融通する。

 それでも、現在の電力供給がぎりぎりの状態であることは変わらない。頼みの火力発電で、老朽機のフル稼働や定期検査の繰り延べが続いているからだ。17日の経済産業省の会合では、委員が「経験したことがないような大規模な電源脱落が心配だ」と指摘した。

 関西と九州の経済連合会は15日に取りまとめた連名の提言で原子力規制委員会を批判。「独立性と専門性を重視しすぎるあまり、効率的で責任のある意思決定が迅速に行われているとは言い難い」と断じた。

 国内経済は「電源喪失」という大きなリスクを抱えたまま。経済界からは“現実”を見据えた判断を求める声が高まっている。(藤原章裕、三塚聖平)

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