燃料プールで保管される使用済み核燃料=関西電力大飯原発3号機【拡大】
■国主導で候補地選定
原子力発電所から出る使用済み核燃料を最終的にどうするのか。これは原発を利用する各国共通の大きな悩みだ。日本では最終処分場の候補地をめぐり、自治体からの公募を前提としてきたが、調査さえ実施できない状況が続く。だが、日本原燃の再処理工場や全国の原発の貯蔵プールで保管できる使用済み核燃料の量は限られ、このままでは原発が再稼働しても数年後には運転停止に追い込まれる恐れもある。政府は国が主導する形で候補地を選ぶ方式に切り替えたが、地元の理解を得ることも政府の重い役割だ。
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■具体的な提示は不透明
「トイレのないマンション」。日本の原発は長い間、こう揶揄(やゆ)されてきた。見た目はきれいでも、発電後に生じた使用済み核燃料から出る放射性廃棄物の最終処分場が決まっていないからだ。
政府は平成12年に特定放射性廃棄物最終処分法を制定。同法に基づき、政府と電力業界は最終処分場の立地選定と建設、運営を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)を設立、14年から全国の市町村を対象に最終処分場の公募を進めてきた。だが、高知県東洋町が19年に初めて文献調査に応募したものの、住民の強い反対で撤回に追い込まれて頓挫。その後は正式に手を挙げた自治体はない。
そうした状況が続いていた中で、突如として昨秋、最終処分場についての議論が動き出した。
「原発を再稼働すれば核のゴミが増える。最終処分場がみつからないのなら、すぐゼロにした方がよい」
小泉純一郎元首相が、最終処分場が決まらないことを論拠に「原発即ゼロ」を声高に主張したことがきっかけだった。