燃料プールで保管される使用済み核燃料=関西電力大飯原発3号機【拡大】
政府は昨年12月17日、首相官邸で「最終処分関係閣僚会議」の初会合を開き、最終処分場の選定方法を自治体が応募する従来方式から国が候補地を示す方式へ切り替えるとの方針を正式に決定。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は「問題を将来世代に先送りせず、関係行政機関が連携して積極的に推進する」と国主導で候補地選定に取り組む方針を示した。
今年3月14日には、経済産業省の有識者による作業部会「放射性廃棄物ワーキンググループ」が最終処分場の候補地選定方法の見直しに関する中間報告を了承した。中間報告では、処分場選定について「これ以上先送りすることなく、解決に向けあらゆる手立てを講じていくことが不可欠だ」と提言。国が科学的な見地から適地を提示し、自治体に理解を求める方式に改めるよう促した。
一方、処分方法としては地中に埋設する「地層処分」が現時点で最も有望であるとしたうえで、廃棄物を回収可能な形で封じ込めることを制度として明確化するよう求めた。将来、新たな処理技術が確立されたり、処分地の地元の意向が変わったりした場合の取り出しを可能にするためで、処分場受け入れに対する自治体の理解を得やすくすることを狙っている。
しかし、実際の候補地選定は、まだスタートラインにも立っていない。地層処分の研究開発の課題について議論する経産省の有識者作業部会「地層処分技術ワーキンググループ」が3月20日に了承した報告書では、地層処分について「可能な地域は国内にも広く存在する」と指摘したが、具体的な候補地の提示までは踏み込まなかった。今後、政府は科学的なデータを集めて候補地を絞り込んでいきたい考えだが、作業をどのように進めていくかは現時点ではっきりとしていない。候補地を示しても、実際の選定では地元住民の反発など困難も予想され、政府の強い覚悟が問われている。