【ノーベル物理学賞】1年半、社内で口きかず研究 中村氏「とにかく負けず嫌い」 (2/2ページ)

2014.10.7 21:49

ノーベル物理学賞に決まり、笑顔の米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授=7日、米カリフォルニア州サンタバーバラ(共同)

ノーベル物理学賞に決まり、笑顔の米カリフォルニア大サンタバーバラ校の中村修二教授=7日、米カリフォルニア州サンタバーバラ(共同)【拡大】

  • ノーベル物理学賞受賞が決まった中村修二・カリフォルニア大サンタバーバラ校教授=平成22年年9月10日
  • 2006年9月、ミレニアム技術賞の授賞式を前に記者会見する中村修二氏=ヘルシンキ(共同)
  • 2005年7月、中高生らにLEDを使った理科実験を披露する中村修二米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授(右)=長野県栄村
  • スウェーデンの王立科学アカデミーがノーベル物理学賞の授与を発表し、スクリーンに映し出された(左から)赤崎勇・名城大終身教授、天野浩・名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授=7日、ストックホルム(AP)

 「この仕事をしたら、会社を辞めてやる」。そんな気持ちで最後に取り組んだのが青色LEDの研究だった。1年半も社内の誰とも口をきかず、研究に没頭。平成5年、当時は不可能とさえいわれた青色LEDの実用化に成功した。世界初の偉業は米国の学会で脚光を浴びる。そこで知ったのが、日米の研究者の待遇の差だった。10を超える米国の大学・企業から誘いを受け、12年に渡米。研究環境が自由で「共産主義の国から、自由主義の国に引っ越した感じだった」。

 一方、日亜化学とは青色LEDの特許権や研究成果の対価をめぐって訴訟合戦に。日亜側に200億円の支払いを命じた判決が話題になり、一時は“200億円男”とも呼ばれた。だが控訴審で約8億4千万円に減額され、和解が成立。「日本の司法は腐っている」と吐き捨てた。

 自分が正しいと思うことは真っ向から主張し、容赦のない言葉を浴びせる。強烈な個性は米国向きとも評されるが、“闘争”を離れた普段の様子は穏やかで、気さくな人柄だ。和解金は税金と弁護士費用、住宅ローンで大半が消え、残りはアフリカの貧しい人に太陽電池を贈る団体に寄付したという。

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