今年4月11日に閣議決定された第4次「エネルギー基本計画」では「水力発電は渇水の問題を除き、安定供給性に優れたエネルギー源としての役割を果たし、今後も重要な役割を担う」としています。ダム建設などを伴う大規模な水力発電所の新設は現実的に難しく、大規模な開発はほぼ完了していると言っていいでしょう。
◆設備更新で価値向上
大型水力発電所の建設が進められたのは1950年代で、既に半世紀がたっています。この先50年後も今と同じレベルで発電することはできるのでしょうか? 全国59カ所に総出力約860万キロワット、国内の全水力発電設備の2割近いシェアを持つJパワーの水力発電部部長代理、田中邦典氏は次のように説明します。
「経年劣化が進んだ水力発電所の設備は更新することになりますが、主要電気設備全般にわたって劣化が進んでいる場合には主要電気設備の一括更新を実施しています。一括更新にあたっては、設計の見直しにより出力増強を行うなど、発電所の価値の向上を図りたいと思っています」
具体例として、59年に運転開始し、一般水力発電所としては奥只見発電所に次ぐ国内2位の出力を有する田子倉発電所(福島県只見町)で一括更新工事を行っています。2004年から工事を始め、11年11月に1号機の工事が竣工(しゅんこう)し、全4基の水車、発電機、主要変圧器など主要設備の一括更新工事はすべて完了しました。
「水車ランナの羽根形状を改良することなどにより、1基当たりの出力は9.5万キロワットから5000キロワット増の10万キロワットとなり、発電所出力は38万キロワットから40万キロワットへと増加しました。また、リニューアルにより新設時と同レベルの信頼性に改善することができました」(田中氏)