発電所全体をリニューアルした事例もあり、1954年に運転開始した旧胆沢第一発電所(岩手県奥州市)がリニューアルされ、今年7月から運転開始しています。国土交通省による胆沢ダム建設に伴い廃止した旧発電所に代わる発電所として、ダム直下に新たな発電所(最大出力1万4200キロワット)の建設を行いました。新発電所には、旧発電所に比べて発電効率を高めた大小2基の水車発電機が設置され、少ない水量でも効率的な発電が可能になりました。
さらに近年は、中小水力の開発に注目が集まっています。エネルギー基本計画で「高コスト構造などの事業環境の課題を踏まえつつ、地域の分散型エネルギー需給構造の基礎を担うエネルギー源として活用していく」と位置づけられた中小水力は、開発可能な地点が多く、今後の活用が期待されています。
◆地域の分散型需給担う
2013年10月に着工した「くったり発電所」(北海道新得町)は、既存のくったりダムから放流している未利用の河川維持流量を活用して発電します。来年4月には運転開始し、470キロワットの発電が見込まれています。
ダムはコンクリートで固めたものや土や岩石を盛ったものが一般的ですが、ゴム堰(せき)というユニークな技術もあります。只見川の支流、黒谷川の上流につくられた黒谷取水堰(福島県只見町)は世界最大級のゴム堰として知られています。
取水堰には、圧縮空気で膨らませたゴム袋を使用。世界最大のラバーゲート(高さ6メートル、長さ43.1メートル)から黒谷発電所に導水します。発電所には大小2基の発電機が設置され、最大出力は1万9600キロワット。ゴム堰は、コンクリート製の堰に比べて工事コストが安いうえ、洪水時には倒れて上流河川への影響を抑えます。