--FITはどう見直されるのですか
「ドイツ政府は認めませんが、FITは失敗だったと考えていると思います。事実、14年8月に施行された改正再生エネルギー法では、大口の新規契約事業者はFITではなく、事業者自らが電気を販売するダイレクト・マーケティング(DM)方式に切り替えられました。また、既契約事業者に対してはFITとDMの選択を求めています。将来は再エネの競争力を高め、電気料金の上昇を抑えるため、すべてDM方式に変えていくことになると思います。FITは富裕層だけが利益を得る仕組みです。貧困層は太陽光パネルを設置できない、投資もできない中で、電気代だけが上がります。ドイツでも不公平との声が高まっています。日本でもFITの見直しを検討していますが、日本が導入した2年半前の時点でも、欧州ではFITの問題が指摘され、買い取り価格も引き下げられていました。そのような状況下において、日本はドイツの2倍近い買い取り価格でFITを導入したのです」
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■「エネルギーは国の要です」
--ドイツの脱原発政策は、計画通り実現できるのでしょうか
「先日、ドイツ経済エネルギー省のエネルギー政策担当者への日本のテレビ局のインタビューに同行させていただきました。その際、担当者は『脱原発はできる』と答えていました。しかし、原発がまかなっていた電力を再エネに置き換えることについては『長いシフトで考えないとだめだ』として、『30年くらいはかかります』と言っていました。足りない分の電気は、石炭や自国の埋蔵量が豊富な褐炭でまかなうことになるのでしょうが、電気代の上昇や温室効果ガスの排出量増加など問題は多いと思います」