滋賀県が今年1月、琵琶湖岸を中心に県内全域で実施した水鳥一斉調査では、過去最多となる6万271羽が確認された。9年前の平成18年(2万2393羽)と比べて2・7倍に増え、今年の調査で確認された全水鳥の生息数(16万9842羽)の3分の1以上を、オオバンが占めた。
琵琶湖では、大津市や草津市など南部を中心に各地の湖岸で、無数の黒い塊が水面に浮かぶ不気味な様子が越冬時期の日常的な光景になっている。
なぜ「琵琶湖」なのか
全国的な生息数のデータはないが、琵琶湖に次ぐ全国2番目の面積を持つ霞ケ浦(茨城県)でも4千羽程度しか観測されておらず、オオバンの生態を研究する名城大農学部の橋本啓史助教(景観生態学)は国内での越冬数を10万羽以下とみる。国内の6割以上が琵琶湖に集結している状況だ。
橋本助教は「1990年代後半に中国南部で大規模な洪水が起きて以降、その地域で越冬していた集団がそこを離れて行き場を求め、エサの豊富な琵琶湖へ越冬場所を徐々に定着させていった」と推測する。