定例会見で記者の質問に答える原子力規制委員会の田中委員長【拡大】
□石川和男・NPO法人社会保障経済研究所代表
原子力規制委員会の傘下にある“有識者会合”は7月17日、北陸電力・志賀原子力発電所の敷地内シーム(亀裂)は“(活断層の)可能性は否定できない”との評価書案を提示した。この評価に当たって北陸電は約40億円をかけて調査を行った。巨額な負担である。日本原子力発電・敦賀原発や東北電力・東通原発に関する“活断層の評価”にも言えることだが、事業者側は、規制委のこうした規制運用に係る調査費を負担し、それを電気代に上乗せせざるを得なくなっているのだ。
これは、規制をクリアするための調査費であり、見方を変えれば、規制当局によるコスト負担の強制である。電力会社ほどの規模であれば、数百万~数千万円単位ならば耐えられる水準かもしれないが、数十億円単位ともなると、もはや看過できない水準だ。
今後、規制委が設置許可当時の判断を覆すならば、今回の有識者会合の評価との相違点について、明確な比較をしながら説明しなければならない。警察による犯罪取り締まりなどとは全く違って、事業規制の運用において規制当局が規制される側の事業者に対し一方的に判断を押し付けるのは不適当だ。
5月20日の田中俊一原子力規制委員会委員長の定例会見では、報道陣との間で次のようなやり取りがあった。