定例会見で記者の質問に答える原子力規制委員会の田中委員長【拡大】
これは非常におかしな見解だ。原子力に批判的な思想を持った専門家を有識者会合のメンバーに加えることには異論を唱えない一方、原子力を推進する与党の提言には「政治的独立性」を盾に聞く耳を持とうとしない。そして、「監査は必要なし」と言い切る。誰からの忠告も聞こうとしない今のような独善的な体質。稼働するにしても、廃炉するにしても、こうした孤立・独善性を改めないことには、『原子力正常化』はほど遠く、国民のエネルギーコスト負担は増すばかりだ。
現行では、規制委の審査結果に政治的介入をすることはできない。だが、規制委の審査や規制基準の運用のあり方について、政治的に適宜修正を加えることはできる。規制委を律する設置法は国会で決められた法律で、規制委の審査や規制基準の運用のあり方に修正を加えることは、何ら問題ないどころかむしろ望ましいこと。政治による原子力規制の適切な修正が待たれる。
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【プロフィル】石川和男
いしかわ・かずお 東大工卒、1989年通産省(現経済産業省)。各般の経済政策、エネルギー政策、産業政策、消費者政策に従事し2007年退官。09年東京財団上席研究員、政策研究大学院大学客員教授など歴任。11年から現職。1965年福岡県生まれ。