駐日英国大使館環境・エネルギー部副部長ナオミ・カウワンさん【拡大】
--貴国は08年にできた気候変動法によって、50年に温室効果ガス排出量の80%(1990年比)削減を目指すという法的拘束力のある目標を掲げています。この野心的な目標達成には、原子力が必要ということですか
「その通りです。08年のエネルギー白書には、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出削減を図るには原発の新設が必要だと明記されました。さらに同年、50年に温室効果ガス80%削減を盛り込んだ気候変動法が発効したことで、長期的にエネルギーと気候変動のかかわりを考える必要性が高まり、新規原発建設によって低炭素社会の実現を目指すという方向性が見えてきたのです。こうした動きが原子力を含むCfDの導入につながり、エネルギートリレンマに対応する電力市場改革の始まりとなりました。その背景には、今後10年間に運転を終える発電設備が全体の5分の1にのぼることによる設備不足、50年には今の2倍に増加するといわれている電力需要などへの懸念があります。こうした状況に対応していくためにも、原子力を含む低炭素電源が必要になってきたのです」
--新規原発は何基建設する計画ですか
「現在、フランスのEDFエナジーと日本の日立製作所、東芝の子会社が建設するヒンクリーポイントなど8地点が候補に挙がっており、理想としては英国全体の発電出力ベースで1600万キロワットの新規原発を建設したいと考えています」