駐日英国大使館環境・エネルギー部副部長ナオミ・カウワンさん【拡大】
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■気候変動との関わり重要
--同じ欧州の国でも、日本の原発事故直後に脱原発を即決したドイツと、原発支援に舵を切った英国のエネルギー政策は、まったく正反対に映ります
「確かに原子力政策に関しては英独に違いはありますが、目指す方向は同じだと思います。例えば気候変動に関しても、温室効果ガスを30年までに90年比40%削減するというEU(欧州連合)が合意した目標に向け両国ともに努力をしており、それを実現するための方法が異なっているだけです。英国が原子力を選択したのは、国民のエネルギー安定供給へのニーズが大きいためです。世界初の商業炉をつくったという原子力の長い歴史もあります。長期にわたり、必要なときに必要な分の低価格の電気が使えるようにしてほしいという国民の要望に応じていくためには、新規原発が必要不可欠ということです」
--日本には根強い反原発の世論があります。エネルギー安全保障と温暖化対策には原発が必要とみる人が多い英国とは大きな違いがあります
「英国でもすべての国民が原子力を支持しているわけではありません。ただ、より多くの人が『原子力はエネルギーミックスの1つとして大切な電源だ』と考えているのは事実です。日本の場合は、福島第1原発事故の後、複数の原子力専門家がメディアを通じて原子力の安全利用について説明しようとしましたが、バッシングを受けて口を閉ざしてしまいました。これに対し、英国では専門家が発言し続けることで多くの情報が社会に発信され、原発への国民の科学的理解も進み、『原子力はそれほど危険なものではないのだ』という下地が生まれたのです。また、英国はメディアと専門家をつなぎ、科学的な情報を発信する人のサポートを目的とした『サイエンス・メディア・センター』(SMC)を世界に先駆けて設立しました。