オンコセルカ症は河川盲目症とも呼ばれ、線虫の幼虫が目に侵入して発症する。途上国では失明の主な原因となる恐ろしい病気だが、イベルメクチンによって症状の悪化を防いだり、感染を防いだりすることが可能になった。
大村氏はイベルメクチンの特許権を放棄。世界保健機関(WHO)を通じ、アフリカや中南米などで延べ10億人以上に無償提供され、多くの人々を失明の危機から救った。
2013年にコロンビア、昨年9月にはエクアドルがオンコセルカ症の撲滅を宣言。イベルメクチンは他の寄生虫や、ダニによる感染症の薬としても広く使われている。
大村氏はさまざまな機能を持つ化合物を微生物から400種類以上も発見。薬の開発だけでなく、生化学や有機合成化学などの研究を飛躍的に進展させた。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約1億1500万円)が贈られる。