原子力規制委員会の勧告を受けた高速増殖炉もんじゅ=福井県敦賀市【拡大】
万一、もんじゅが運転再開できなければ、検査などの一部業務を受注する「下請け構造」が目立つ地元を中心に県や市が思い描く「地方創生」の姿は揺らぐ。
福井県は2005年3月「エネルギー研究開発拠点化計画」を策定、もんじゅで研究開発を進め、国内外の研究者を呼び込んで地元企業に技術移転する方針を掲げた。もんじゅ廃炉ともなれば、地元への影響は計り知れず、文科省と規制委には地元への説明責任を含む対応を求めたい。
◆脅かされる日本の技術
日本の技術については、今回の勧告のように、明確なビジョンなく放棄するような無思慮や、他国による盗取・否定を放置する無頓着が目につく。
例えば、韓国の製鉄最大手ポスコの機密情報を中国に流したとされるポスコ元社員が「技術は、もともとは新日鉄のものだ」と衝撃的な証言をし、変圧器などに使われる「方向性電磁鋼板」の製造技術をポスコが不正取得した事件は記憶に新しい。新日鉄住金はポスコから300億円の賠償支払いを受けることで和解、ポスコの信用は大きく低下したものの、製鉄世界第2位のポスコの地位は不変だ。
日本のウラン濃縮特許技術の韓国への流出にも驚く。国際原子力機関(IAEA)は04年に韓国のウラン濃縮実験施設を査察した際、日本の濃縮技術の特許に関する資料を押収、韓国が同技術を使って極秘実験をしたことをつかんでいた。
また、中国は、わが国とほぼ同規模の再処理工場を20年に着工する計画を公表しているが、中国の傳聡軍縮大使はそのことには一切触れずに、10月20日の国連総会で日本の六ケ所村での再処理などの核不拡散への対応を批判、日本の核武装懸念を強調した。