大阪府内の特殊詐欺の被害状況。「オレオレ詐欺にひっかかりにくい土地柄」という大阪の〝神話〟は崩壊したのか【拡大】
【衝撃事件の核心】
高齢者をターゲットにした特殊詐欺の被害が大阪府内で急増している。大阪府警によると、平成27年の被害額は11月末で約36億6千万円で、過去最悪だった昨年をすでに約1億円上回っている。親族を装ったオレオレ詐欺や、「現金が戻ってくる」と偽る還付金詐欺に加え、最近目立つのが「名義貸し」詐欺。株券や老人ホームの入居権購入のために「名前を貸してほしい」と持ちかけた後、「名義貸しは犯罪だ」などと脅されて解決金名目で現金をだまし取るケースだ。罪悪感を植え付け正常な判断力を奪う巧妙な手口の前に、かつて「オレオレ詐欺に引っかかりにくい土地柄」と評された大阪の“神話”は風前のともしびになっている。その悪辣(あくらつ)な手練手管とは…。
不安あおられ言いなりに
「あなた、このままだと逮捕されますよ」
27年夏ごろ、大阪府八尾市内に住む80代の無職女性は電話でこう告げられ、激しく狼狽(ろうばい)した。
女性の自宅には数日前、NPO法人の会長を名乗る男から、「あなたの名義で東日本大震災の被災地の仮設住宅を買わせてほしい」という電話があったばかりだった。被災者支援のためにと応じたが、今度は金融庁職員を名乗る男から、突然電話がかかってきた。