
2008年に米国カリフォルニア州でテスト飛行を行った零戦。まもなく鹿児島の上空を飛ぶ(零戦里帰りプロジェクト)【拡大】
プロジェクトのきっかけは、トラブルだった。
平成19年半ば、石塚氏のもとを、北海道小樽市の関係者を名乗る男性が訪れた。博物館で展示するために、零戦を入手したいが、その交渉を手伝ってほしいという依頼だった。
石塚氏は、米国の飛行機収集家やパイロットに人脈があった。石塚氏は仲介を引き受けた。
零戦を保有する米カリフォルニア州の有名バイクレーサーと売買契約を結んだ。彼が所有する機体は、パプアニューギニア・ラバウル近郊に放置されていた零戦22型で、米国人が1970年代に入手し、飛べるように復元していた。
だが、契約後にリーマン・ショック(2008年9月)が発生した。男が持ち掛けた零戦展示構想は、景気悪化のあおりを受けて、中止になったという。