バッタ目の昆虫「クチキウマ」の新種が、滋賀県多賀町の霊仙山で見つかっていたことが分かった。新種のクチキウマは褐色で体長はわずか2センチと小さいが、バッタ目の新種が県内で見つかるのは77年ぶり。発見した高石清治さん(66)=大津市=は「あまり知られていない虫だが、新種がみつかったことをきっかけに採集家が増えてほしい」と喜んでいる。
クチキウマはバッタ目キリギリス亜目に分類される昆虫。広葉樹の樹皮の割れ目などに生息する。体長1・5センチ~2・5センチほどで、体の倍以上になる触角とバッタのように太い後ろ足が特徴。日本と韓国のみで計18種類が報告されており、高石さんが見つけた新種が19種類目となった。
高石さんは、昆虫の愛好家団体「滋賀むしの会」の会員。平成19年12月、高石さんがクチキウマ採集のため霊仙山を訪れた際、木の幹で褐色の体に白や黄色の斑点があるクチキウマを発見。図鑑を見ても種類か分からなかったため、バッタやキリギリスなどの研究を行う「日本直(ちょく)翅(し)類学会」に鑑定を依頼した。