
裁判を終え弁護士の車に乗って裁判所を出る野々村竜太郎被告=25日午前11時22分、神戸地裁(前川純一郎撮影)【拡大】
裁判長が問う。
「最後に述べておきたいことがありますか」
野々村被告は「はいっ」と大きな声で返事し、A4判の白い紙1枚を持って、証言台の前に立った。これまでの法廷で質問を受けるたびに「はいっ」と大声で返事していた場面を思い起こさせた。
「裁判長のお言葉にお答えする上で、一言申し上げさせていただきます」
一礼し、ゆっくりとはっきりした声で紙に書いた文字を読み上げ始めた。
「この裁判の中で私は多くの質問を頂戴いたしましたが、医師の診断で解離性健忘の可能性もあるとのことで、収支報告書を作成いたしましたときの記憶が、ございませず…お答えすることができませんでした」
ここで突然、声が震え始める。
「説明責任を果たせず、申し訳ございませんでした」となんとか持ち直して言い切り、深く頭を下げた。