だが事故から5年が経過し、住民不安を払拭する必要もあるとし「堆肥化で放射性物質が安定化され、安全に自然に戻せる可能性があるかどうかを検証することにした」と市畜産園芸課の三浦圭二課長は話す。
実証実験を請け負ったのは、環境プラントを手がける共和化工(東京都品川区)。同社は、下水処理場や食肉加工場の排水処理などの汚泥を独自の好気性微生物(YM菌)群を使って有機物を分解、堆肥化する技術をもつ。
通常の堆肥化では発酵中に60~70度程度の熱が自然発生するが、同社のYM菌の場合は100度超に達するので、汚泥中の有害細菌は死滅。有機物の分解も促進されるため堆肥化にかかる時間も通常より短くて済む。佐賀市などの地方自治体で下水汚泥の堆肥化を受託しているほか、技術提供などにより全国28施設で同社の堆肥化技術を用いたプラントが稼働している。
今回は、乾燥した汚染牧草に栗原市内の農家から排出された牛糞、YM菌を含んだ微生物資材などを混ぜ合わせ、発酵槽で堆肥化処理する。
5月下旬から始めた1回目の堆肥化では、主原料となる汚染牧草の平均放射線量は1キロ当たり約3200ベクレル。牧草重量は2.1トン、混合物の総重量は15.4トンとなった。発酵槽で空気を送り込みながら混合物を攪拌(かくはん)する作業を6、7回行い、約45日間で発酵させる。出来上がった堆肥の一部を原料として使い、2回目の堆肥化を行う。