包茎手術など「美容医療」をめぐってトラブルが絶えない。ある男性は性器増大手術としてフィラーと呼ばれる充填剤を注入、患部が壊死して一部を切除する悲劇に見舞われた【拡大】
田中さんは20年以上前に包茎手術を受けており、性器に対するコンプレックスはなかった。ただ、もう少し魅力を高めたいという欲があった。ネットで検索し上位に表示されたのが、ミナミにあるクリニックだったという。
田中さん「何本くらい注射したらいいの」
カウンセラー「3~5本くらいですかね。それで物足りないという人もいます」
そしてカウンセラーが切り出したのが「どうせなら大きい方が」という冒頭の発言。「本来なら注射1本10万円ですが、今日手術をするなら、5本分の値段で10本できますよ」
この日は話だけに留めておこうと思っていた田中さんも「半額」の誘惑には勝てなかった。即日手術を受け、クリニックの医師から亀頭の皮下にフィラー10本を打たれた。料金は約50万円だった。
赤黒く変色、強い痛み
当日は麻酔が効いていたこともあり、痛みはなかった。「少し大きくなったかな」。そんな程度の感覚だったという。しかし、徐々に張り詰めたような圧迫感を感じるようになった。