性器増大・包茎手術で悪夢 ぼったくり、患部壊死…弱みにつけこむ美容医療の闇 (7/7ページ)

包茎手術など「美容医療」をめぐってトラブルが絶えない。ある男性は性器増大手術としてフィラーと呼ばれる充填剤を注入、患部が壊死して一部を切除する悲劇に見舞われた
包茎手術など「美容医療」をめぐってトラブルが絶えない。ある男性は性器増大手術としてフィラーと呼ばれる充填剤を注入、患部が壊死して一部を切除する悲劇に見舞われた【拡大】

 フィラー注入、危険性は未知数

 一般的な包茎治療は性器をおおう皮の余剰分を切り取り、適当な位置で縫い合わせるというものだ。ただ、クリニック側から「亀頭に薬剤を注入しないと元に戻る」と言われ、フィラーによる増大手術を併せて行うよう勧められるケースが少なくない。

 フィラーの代表的な成分は肌のハリの保持や形の矯正に使うヒアルロン酸で、純粋なヒアルロン酸は時間経過とともに体内に吸収される。しかし、多くのフィラーには体内に定着させるための非吸収成分も含まれている。

 日本形成外科学会理事長で大阪大医学部の細川亙教授によると、そうした非吸収成分が血流を妨げて合併症を引き起こしているとみられるが、その薬剤の品質自体に問題があるのか、使用方法に問題があるのか、明確に原因が分からない場合がほとんどだという。

 国内で出回っているこうしたフィラーは厚生労働省が承認していないものが大半。医師が海外から個人輸入して自己責任のもとで使っており、細川教授は「リスクを正しく理解していない医師もいるのではないか」と警鐘を鳴らす。田中さんに注入されたフィラーも海外製の未承認薬剤だった。

 性器の悩みはコンプレックスの最たるものだろう。そんな究極のコンプレックスを商売にしている医師の側が、患者の覚悟を顧みないとすれば、ただただ罪深いと言わざるを得ない。