性器増大・包茎手術で悪夢 ぼったくり、患部壊死…弱みにつけこむ美容医療の闇 (3/7ページ)

包茎手術など「美容医療」をめぐってトラブルが絶えない。ある男性は性器増大手術としてフィラーと呼ばれる充填剤を注入、患部が壊死して一部を切除する悲劇に見舞われた
包茎手術など「美容医療」をめぐってトラブルが絶えない。ある男性は性器増大手術としてフィラーと呼ばれる充填剤を注入、患部が壊死して一部を切除する悲劇に見舞われた【拡大】

 何かがおかしい。クリニックを再訪して塗り薬を処方してもらっても回復する気配はない。亀頭は炎症を起こして赤黒く変色していき、強く痛んで眠れない夜もあった。

 不安になってインターネットで調べた。すると、術後に自分と同じような痛みや腫れが出たという事例が次々と目に飛び込んできた。

 「これやんか…」。不安で青ざめた。事前にしっかりリサーチしなかった自分の軽率さが悔やまれた。

 術後1カ月も経たないうちに、亀頭はガサガサしたかさぶたで一面おおわれ、排尿もままならない悲惨な状態になった。

 別の総合病院を受診した結果、「亀頭部難治性皮膚潰瘍」と診断された。原因はフィラーによる血流の低下。除去手術が必要だと言われた。クリニックに強く抗議し、フィラーを取り除いてもらったが、亀頭は所々壊死しており、その部分は切除せざるを得なかった。

「いっそ死んでしまいたいと思うほどおかしい精神状態になった」