
大手保険会社のコンプライアンス担当者から突然、パワーハラスメントを認定された部長職の男性。飲み会の席で同僚の頭に七味唐辛子を振りかけた―などとする被害証言を踏まえ、諭旨解雇された。部長側は「事実無根」と提訴したが…【拡大】
「このような言動をしたとの証言がありますが、事実ですか」
そう書かれた質問項目の下には具体的な数十個の被害証言が列挙され、空白の回答欄が用意されていた。
《机をたたき、着座中の椅子を蹴る》
《別室を利用せず、いつも人前で叱責する》
身に覚えがないものが多い。戸惑いながら、ひとつひとつ否定する回答を自筆で記入し、読み上げた。
だが、担当者は回答を聞き終えると、その場で淡々と宣告した。
「(被害)証言があります。パワーハラスメントと認定します」
「俺は部長だ!」
会社に通報したのが部下なのか上司なのか、被害を訴えているのは何人だったのかなど、詳細は明らかにされていない。ただ、質問書に記載された大量のパワハラ証言は、実に生々しかった。
たとえば暴言。