
大手保険会社のコンプライアンス担当者から突然、パワーハラスメントを認定された部長職の男性。飲み会の席で同僚の頭に七味唐辛子を振りかけた―などとする被害証言を踏まえ、諭旨解雇された。部長側は「事実無根」と提訴したが…【拡大】
パワハラ相談10倍に
「パワーハラスメント」という言葉は、コンサルティング会社「クオレ・シー・キューブ」(東京)の岡田康子会長が平成13年に定義した和製英語だとされている。比較的新しい言葉だが、社会問題として認識され、すっかり定着した。
厚生労働省によると、全国の労働局などに寄せられた個別労働紛争相談のうち、パワハラにあたる「いじめ・嫌がらせ」は、14年度の6627件から、27年度は6万6566件と、約10倍に急増した。被害者が訴訟に打って出るケースも増え、企業にとって対策は急務となっている。
パワハラの加害者について岡田会長は「自分がパワハラをしているという自覚がないことがほとんどだ」と話す。加害者は過度にプレッシャーを感じていたり、特定の部下に困っていたりと仕事上の問題を抱えているケースが多く、「仕事の負担を軽くして部下の指導の仕方を教えるなど、加害者が困っていることを解消するのも解決策のひとつだ」とアドバイスする。
ただパワハラという言葉が一般的になったことで「過剰に『被害を受けた』と主張する人も増えている」と岡田会長は言う。「会社は一方当事者の話だけでパワハラと決めつけず、まずは事実を把握した上で加害者側の主張も十分に聞き取り、対処方法を考える必要がある」と指摘した。