
【プロ野球巨人対広島】胴上げされる広島・黒田博樹=東京ドーム(撮影・塩浦孝明)【拡大】
「投手は無駄な四球が失点につながる。逆に攻撃の波を少なくするにはいかに四球を取るか」(石井打撃コーチ)。簡単な三振を減らして四球を稼ぎ、凡打でも走者を進める緻密(ちみつ)さを求めた。出塁率3割4分6厘(9日時点)は過去10年のリーグでトップクラスだ。
1番打者の田中は逆方向への打球を増やし、打率は昨季並みながら四死球の数はほぼ倍増。同学年の菊池、丸と3割後半の出塁率を誇る、相手には厄介な上位打線を形成した。新井や鈴木らが打点を稼ぐのも「塁に走者がいるからこそ。出塁率はなかなか表には出ないけどチームを象徴している」と石井コーチは胸を張る。
緒方監督は「今季ずっと戦ってきた戦いが今日もできた。一試合一試合、力をつけて頼もしい限り」とお立ち台で選手をねぎらった。打線の軸を務め切った丸は「悔しい思いをして、秋からすべてこのためにやってきた。決まった瞬間すべてが報われた」と、喜びをかみしめた。(大宮健司)