「灰とダイヤモンド」(1958年)などの監督作品で知られるポーランド映画の巨匠で、96年に第8回高松宮殿下記念世界文化賞(演劇・映像部門)を受賞したアンジェイ・ワイダ氏が9日、死去した。90歳。ポーランドのメディアが伝えた。
26年、ポーランド・スバウキ生まれ。国立映画大学で学び、対独レジスタンス運動に参加した体験を基にした「世代」(54年)で監督デビュー。「地下水道」(56年)、「灰とダイヤモンド」を加えた3作品は、同国の苦難の歴史を描く「抵抗3部作」として国際的な評価を得た。
81年、自主管理労組「連帯」を題材にした「鉄の男」(81年)でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞。
親日家としても知られ、94年にはポーランド南部のクラクフに「日本美術・技術センター」を創設した。(ベルリン 宮下日出男)