名選手の死で浮上した道交法改正問題 深刻なイタリアの自転車事情 (1/3ページ)

【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 4月22日、高校生の息子ががっくりした表情で下校した。サイクリストであるミケーレ・スカルポーニの事故死を帰宅途中にスマホを見て知ったらしい。

 スカルポーニはジーロ・ディタリアの優勝チームメンバーで人気があったが、自宅から自転車の練習に出かける際、交差点でトラックに轢かれたのだ。運転手の前方不注意とされる。ことのあっけなさに、毎年、ジーロ・ディタリアとトゥール・ドゥ・フランスに夢中になる自転車好きの息子は心を暗くした。

 スカルポーニの死を惜しむ声が各メディアに流れるとともに、イタリアの道路交通法の改正問題が浮上してきた。

 イタリアでは年間、1.4百万台の自動車が販売されている。他方、1.6百万が自転車の販売台数だ。世界の何処の街とも同じように、イタリアでも自転車利用者の増加は目立っている。もともとスポーツとして自転車は人気であるが、日常生活での利用も増えてきた。

 環境問題から街の中心地への一般の自動車の進入が制限され、規制のかからない路上駐車の場所も少なくなりつつある。同時にバイクシェアリングや自転車専用レーンも増えている。自転車が社会インフラのなかに公式に組み込まれてきた。

 しかし、自転車の事故は必ずしも期待通りに減少していない、との批判的な意見がある。2001年に366人の死亡者数、2015年は251人。怪我人の数は2015年だけで1.6万人。

 ミラノの街中を自転車で走り回っている人間として、この数字はあまりに現実味がある。

自転車の行く手は八方ふさがり

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