「念願の治療薬の開発に一歩近づいた」。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った研究で「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の治療薬につながる有力な候補物質を見つけたと京都大iPS細胞研究所などのチームが発表した24日、実用化までには10年程度の期間を要する見込みだが、関係者に期待の声が広がった。
「暗くて長いトンネルの先に希望の明かりが見えた」「このニュースに接して本当にうれしく思う」。自身も患者である一般社団法人日本ALS協会(東京)の岡部宏生(ひろき)会長と増田英明副会長は、それぞれ産経新聞の取材に、協会を通じるなどして喜びの声を寄せた。
同研究所によると、ALSは抜本的な治療法がない難病で、国内に約9千人の患者がいるとされる。運動神経細胞が死に至り、筋力が低下することで歩行や呼吸に困難な障害が生じる。それだけに、岡部会長は「iPS細胞関連の治療や薬の開発への期待は私たちにとって多大なもの。いつもその進捗(しんちょく)に注目していた」という。