「ゲノム編集」技術、30年前の日本の研究寄与 特殊なDNA配列発見 石野良純・九州大教授 (3/4ページ)

2017.6.1 22:22

クリスパーの役割
クリスパーの役割【拡大】

  • 石野良純氏(右)と指導教官だった中田篤男氏=昭和61年

 この配列は後に「クリスパー」と名付けられた。

■爆発的な普及

 1990年代。塩基配列の解析速度が飛躍的に高まった。細菌、植物、そしてヒトと、さまざまな生物のDNA解析プロジェクトが動いた。

 その中で、ある研究者が、古細菌でクリスパーを確認した。

 2000年代になると、クリスパー配列が免疫機能と結びついていることが、明らかになった。

 仕組みはこうだ。

 細菌にウイルスが侵入した場合、クリスパーとクリスパーの間に、ウイルス由来のDNA情報を取り込む。後に、同じウイルスが侵入すると、クリスパー間に収集した情報を基に、「キャス9」と呼ばれる酵素が、ウイルス由来のDNAを切断・破壊する。

 この仕組みを応用すれば、DNA上の標的とする遺伝子を、正確に切り取り、情報を挿入することもできる。ゲノム編集だ。「クリスパー・キャス9」を、米国とドイツの研究者が開発した。シンプルで柔軟性が高く、世界中の研究者が飛びついた。

 ゲノム編集の爆発的普及で、石野氏の論文は頻繁に引用されるようになった。

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