
クリスパーの役割【拡大】
石野氏は「クリスパー・キャス9を使ったゲノム編集によって、病気の原因遺伝子の特定や、改変もできるようになると思う。広がりは確実に出てくるし、役に立つ技術も開発できる。間違いなく、人類にとって大きな貢献となる。そこに自分の論文を引用してもらえるのは、非常にありがたい」と語った。
■美しい二重らせん
大阪で育った石野氏は、大阪万博(昭和45年)に何度も足を運び、日本の成長や科学の進歩を実感した。高校の生物の教科書で、DNAの二重らせんを美しいと感じたことをきっかけに、生命に関する研究に興味を持った。
常に、人がやらないことを追究した。「研究に大切なのは、誠実であることと、オリジナリティーだ」と語った。
石野氏は現在、高温など特殊な環境に生きる古細菌の研究に取り組む。大分・別府の温泉などに、サンプル採取に出向く。
「古細菌の研究は、宝がいっぱい詰まっている。どうやって生命を維持しているかが分かれば、生命の起源に近づく手がかりを得られる」と期待する。
「特殊なものを見つけたら、何か意味がある。それを見逃すな」。後輩の研究者に、こう伝える。