【松本真由美の環境・エネルギーDiary】水素大量貯蔵・輸送実現へ大幅前進 (3/5ページ)

2017.6.5 05:00

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  • 千代田化工建設の子安オフィス・リサーチパークにあるSPERA水素デモプラント(同社提供)

 現在、同社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託で、“海外から水素を一定期間輸入する水素サプライチェーン実証”(第1期:2015~16年度、第2期:17~20年度)プロジェクトを進めています。このプロジェクトでは、20年に東南アジアから副生水素由来のSPERA水素を日本に運んで、川崎市臨海部の拠点で水素を取り出して活用する計画です。

 「OCH法においてMCHから水素を分離する研究は、これまで脱水素反応で用いる触媒の一定の性能を示す期間、つまり触媒寿命が1~2日であったため、実用化には至っていませんでした。しかし、当社は、02年からこの触媒の開発に取り組み、実験室規模を経て実証規模での試験を行い、1万時間以上、作用する高性能な触媒を実用レベルでつくることに成功しました。すなわち、水素を安定的に取り出す商用プロセスの構築に目途がたち、時代の要請に応えられるような、水素供給の実用化に弾みがついたといえます」(中田氏)

 「SPERA水素とその原料となるトルエンは、およそ-100~100℃の広い範囲で液体状態を保つため、世界中どこでも常温・常圧で取り扱うことができます。さらに貯蔵や輸送のための専用設備を必要とせず、タンカーやタンク、ケミカルローリーなど既存の石油流通インフラを利用できるのも大きなメリットです」(大島氏)

 SPERA水素のサンプルを見せていただきましたが、無色透明の液体です。MCHは文房具の修正液にも使われる汎用(はんよう)的な有機溶媒で、化学物質としてのリスクも比較的低いレベルにあります。なお、“SPERA”はラテン語で“希望せよ”という意味があるそうです。

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