【寄稿】レトロテクノロジー<蓄熱> 再エネ拡大に脚光 (2/4ページ)

エネルギー総合工学研究所主管研究員岡崎徹
エネルギー総合工学研究所主管研究員岡崎徹【拡大】

  • 図1独シーメンスが開発を開始した蓄熱発電所(シーメンスのホームページより)
  • 図2世界の蓄エネルギー設備の実態

 しかし、ここには大きな見落としがあった。蓄エネルギーコストである。エネルギーを貯めるには設備が必要であり、その設備には寿命がある。そのため充放電ごとに一定のコストがかかる。このコストが蓄熱は圧倒的に安価で蓄電池の20分の1から100分の1になる。蓄熱からの発電は蓄電池に比べておおよそ2分の1の効率であるが、充放電コストがこれほど安いと結果的に経済性に優れる領域が出てくる。具体的には数時間以上の蓄エネルギーでは蓄熱の方が経済的である。

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 これを間接的に裏付けるものとして、近年の太陽熱発電(CSP=Concentrated Solar Power)の導入が上げられる。例えばチリ・ドバイでは既に大量の太陽電池(PV=Photovoltaics)が設置されているが、夜間電力のために蓄熱を利用する太陽熱発電を導入する。CSPの発電コストは15セント/kWhで、3セント/kWhのPVの数倍のコストであるにもかかわらずである。当然PVと電池の組み合わせも検討されたが、これらより圧倒的に経済的であると判断された。

実は最も多く稼働する蓄熱発電