
エネルギー総合工学研究所主管研究員岡崎徹【拡大】
先日の内閣府・エネルギー戦略協議会で、上記の事実が明らかにされた。その結果、日本での再エネ大量導入に蓄熱も重要な要素を占めることが認識され、これまで蓄エネルギー技術マップに含まれていなかった蓄熱が新たに記載されることとなった。これに沿って蓄熱技術開発の強化が期待され、日本への経済的再エネ大量導入が可能となる。現在、関係者間で調整しつつ本格的な開発開始を検討中である。
世界に目を向けると、今後の電力エネルギー需要増加はOECD諸国以外である。数年前までは、再エネ導入は先進国の道義的義務とされてきた。しかし再エネがチリやドバイのように3セント/kWhの発電コストとなり最も安いエネルギー源となると、再エネが経済的にも第一選択肢になる。ただし非OECD諸国では需要の伸びが大きく、系統強化などでは再エネ不安定性を解消できない。蓄エネルギー設備が必須となり、蓄熱発電所が最も経済的である。さらに蓄熱発電所の大部分は自国産業を利用して建設でき産業振興にも繋がるというメリットもある。
◇ ◇
自然は多様で、自然界に生物多様性が必要なように再エネにも多様性が必要である。蓄熱発電も長所短所があり、これを把握して蓄電池や、図2に示したように大きな容量で運転されているCAES、将来は水素などとのベストミックスを探る必要がある。風力熱発電という風力発電をさらに経済的に実現する概念もある。熱が、熱くなってきた。
◇
【プロフィル】岡崎徹
1961年10月大阪生まれ。85年京都大学工学部電気系工学科卒。87年同大学院工学研究科修士課程修了。住友電気工業勤務。磁場応用製品開発に従事。社内留学制度により98年英国バーミンガム大学博士号取得。超電導応用製品の開発中に風力熱発電の着想を得る。2012年国際超電導産業技術研究所に出向、普及啓発・国際部長、16年エネルギー総合工学研究所に出向。