
国際政治・歴史学者ロバート・D・エルドリッヂさん【拡大】
--尖閣を失わないためには、日本は何をすべきですか
「尖閣問題に関しては、対話がむずかしい。膨張する中国は野心的で、ゼロサムで国際政治を見ています。つまり、損得で見ているわけです。それに対して日本は共生を重んじますが、中国にはそれは通用しません。これまでのような中国を刺激しないための事なかれ主義ではだめです。中国は尖閣を自国の領土にした場合、東シナ海も南シナ海と同じように軍事基地化する考えです。そうなりますと、沖縄から近すぎるため、米軍は沖縄から引かざるを得なくなります。尖閣を取られないためには、行政的にできることを今から実行しておくべきです。まず、公務員を常駐させることが大事で、世界に対して日本の施政権と実効支配を示すことになります。それとともに、気象台、灯台、避難港、ヘリポートを設けるべきです。これらはすべて国際公共財になると同時に、日本の実効支配を示すことになるからです」
--国民の安全保障意識も問われています
「日本人の安全保障意識は言われているほど低くはないし、常識的に考えていると思います。自衛隊への支持が高いことが、それをある意味で証明しています。面白いことに地方に行くほど、とくに国境に近い離島に行けば行くほど意識が高くなるのですが、東京に近くなるほど深く考えていないようです。政府がきちんと国民に説明していくべきでしょう。また、日本が尖閣を失うようなことがあれば、日本の領土問題はすべて決着してしまうことになります。北方四島も竹島も、すべて日本にとって不利な形で決着してしまうということを、日本国民は認識すべきだと思います」