
国際政治・歴史学者ロバート・D・エルドリッヂさん【拡大】
--震災といえば、エルドリッヂさんは日本初の米軍による災害救済活動である「トモダチ作戦」を立案、実行調整役を務められました
「私は阪神淡路大震災で被災した経験があります。その原体験から、東日本大震災での一国だけでの救済・復旧は難しいと考え、以前から提言してきた米軍の救済活動を再度提案し、実行しました。日本の場合、どこの地域でも災害が起きる可能性があり、国民の防災意識は高いと思います。しかし、『想定外』といわれたように、想像力を超える部分に追いつかなかったり、柔軟性や横の連携に欠ける部分はあります」
--震災以降、福島第1原発事故の教訓を受け、全国の原発が津波や地震などの災害に備えた安全対策の強化に取り組んでいます。最近、中部電力の浜岡原発を視察されたそうですが
「私は地震学の専門家ではありませんが、防災学の見地からすれば、浜岡原発では安心できる対策が施されていると感じました。専門家さえ気づいていない部分を含めて、考えられること以上の対策が講じられており、三重、四重にも補完するチェック機能も網羅されていました。普通は厳しい質問をすると、『検討中』など曖昧な答えでお茶を濁されることが多いのですが、浜岡ではすべて答えてくれ、『想定外』がないのに驚きました。沖縄で勤務していたときは、地元住民との関係は日本政府との関係以上に重要と考えていました。周辺住民に対する透明性を高めるほど理解につながり、理解が進むほど支持になります。地元との関係を最優先すれば、政府も必然的についてきます。だから、周辺住民に対する透明性が一番大切です。その点でも、浜岡の研修センターにある、過去の事故やトラブルとその教訓を開示した『失敗に学ぶ回廊』は、最高の施設だと思います」