【田原】グーグルやアマゾンの会話するホームロボットとどこが違うの?
【武地】根底にある思想がまったく違います。彼らが理想としているのは、生活を便利にしてくれる機械。一方、僕らはべつに便利じゃなくていい。たとえばペットを飼っても便利にならないかもしれませんが、一緒にいて楽しかったり癒やされたりする。そういう存在になれたらいいなと。
【田原】でも、機能的にはグーグルやアマゾンと同じですよね?
【武地】他社のロボットは朝、目覚ましでピピピとアラームを鳴らしてユーザーを起こすと思います。便利さを求めるならそれでいい。でも「Gatebox」はかわいさにこだわっています。たとえばピピピの代わりに「起きてくれないとイタズラしちゃうぞ」といったり、それでも起きないと怒りだしたり。僕らはそういった人間らしさを追求している。そこが大きな違いです。
ゲームをしているほうが好きな子どもでした
【田原】武地さんは広島生まれで、小学校5年生のときお母さんの仕事でアフリカに移り住まれる。お母さんは何をされていたのですか。
【武地】医者です。青年海外協力隊として、マラリアの研究のためにマラウイ共和国で1年半暮らしました。
【田原】言葉が通じないでしょう。暮らしにくくなかったですか。
【武地】通じないです。何を話しているのかわからないので、授業中はずっと窓の外ばかり見ていました。
【田原】もともと人と話すのは好きじゃないとおっしゃっていたものね。
【武地】はい。人としゃべるより、1人で漫画を読んだりゲームをしているほうが好きな子どもでした。
【田原】帰国後の勉強が大変だったんじゃないですか。
【武地】中学にあがる直前に広島に戻ってきました。漢字やカタカナをかなり忘れていて、中学校では小学校1年生の勉強からやり直すことに。何とか追いつけましたが大変でした。
【田原】大学は大阪大学の工学部です。どうして工学部に?
【武地】高校のときに『風の谷のナウシカ』を見てから環境問題に興味を持って、大阪大学の環境・エネルギー工学科に入学しました。
【田原】ところが、大学では海外ボランティアのサポートを熱心にやっていたとか。どういうことですか。
【武地】海外でインターンシップをしたい学生に向けて勤務先を紹介するアイセック(AIESEC)という学生団体で活動していました。アイセックは世界各国にあって、僕はインターンシップに行きたい学生を日本で集める担当をしていました。
【田原】大学に行きながらデザインの学校にも通ったそうですね。
【武地】グラフィックデザインを勉強するために週3で夜間のスクールに通いました。そこで学んだことを生かして、インターン生募集の説明会のチラシをつくったりしていました。