
理事会を終え会見に臨む(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄理事=11月30日、両国国技館(蔵賢斗撮影)【拡大】
ただ、この「誰かを擁護する仕事」というのはなかなかキツい。「相撲取材歴40年」みたいな「東京相撲記者クラブ会友」のオッサンの活動の生命線は日本相撲協会を「出禁」にならないことである。これでは“相撲協会至上主義”になっても仕方ない。大体、「現役時代に相撲が強かったヤツがエラくなって運営側に回る」という奇妙な財団法人と付き合っていると、感覚が麻痺してくる。
もしも自分がスポーツ新聞の記者になり、相撲記者クラブに入ったらどうなるか? 野球賭博や八百長の話を知っていても書くことはできず、しかし週刊誌にその情報をリークし「○○ノ山の1月場所では3番怪しい取り組みがあります」(スポーツ紙相撲記者)なんて記事が出たら「貴様か! あの情報を出したのか! “かわいがり”をしてやる! ビール瓶だとヤバいから、シャンパンボトルで殴ってやる!」なんて言われてしまうのではないかと恐ろしくて仕方がない。
結果「出禁」になってしまった場合、自分でチケットを買って観戦しようにもチケットの「もぎり」をする屈強な親方に「あなたは入れないですよ。さぁさぁ、帰った帰った、と言われてしまうことだろう。かくして、相撲記者は自分の生活を成り立たせるために協会擁護を行う。あたかも相撲協会に対して忠誠をいかに尽くすか、といった勝負を各人がしているかのように見えてしまうのである。
◆日馬富士と伊勢ヶ浜親方は「空気を読んだ」
ツイッターでは相撲記者のズレっぷりに対し、違和感の表明や批判が多数書き込まれているが、これが「世間の空気」ってヤツであり、特殊過ぎる閉鎖空間にどっぷり浸かっていると分からなくなるものである。
結局これらの記者が出て協会と日馬富士・白鵬を擁護しまくり、貴乃花親方と貴ノ岩を批判して何になったか?
日馬富士は引退にまで至ってしまったが、これは一連の騒動を見て一般の視聴者が日本相撲協会の異常さと、いくら「神事」「国技」であろうともに非常識な慣習がまかり通る角界に呆れたのも一因では。その点では日馬富士と伊勢ヶ浜親方は空気を読んだのかもしれない。