それでも世間を無視する“相撲記者のズレっぷり” 日馬富士と伊勢ヶ濱親方は「空気を読んだ」が… (3/3ページ)

理事会を終え会見に臨む(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄理事=11月30日、両国国技館(蔵賢斗撮影)
理事会を終え会見に臨む(左から)鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野利雄理事=11月30日、両国国技館(蔵賢斗撮影)【拡大】

 本来記者というものは、客観的な視点から報じることが求められる。だが、暴力をふるった側や隠蔽工作を試みる側を擁護する記者が続々出てしまうと視聴者は「あぁ、記者でさえこれだったら自浄作用なんて働くワケねェよな……」と呆れはて、日馬富士に対するネガティブな空気が続々と醸成されてしまったのでは、なんてことも思うのだ。

 もしも本当に協会と相撲の発展と世間の空気を変えることを願うのであれば、協会批判をした方がいい。それにより出禁になることが恐ろしいのならば、一応協会幹部には「これから私がテレビに出たりコメントを求められた時は敢えて厳しいことを言いますので。その方が協会のためになります」と一言断りを入れておけばいい。そんなことさえ分かっていないのだ。いや、こんなことを言えない空気なのか、或いは記者軍団は心底協会のことを正しいと思っているのか、そもそも関係性は築けていないのか。いずれにしても協会と記者軍団の姿勢には違和感だらけだ。

 無能な味方は優秀な敵より怖い--。これを相撲記者は示している。

【プロフィル】中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。

【ニッポンの謝罪道】はネットニュース編集者の中川淳一郎さんが、話題を呼んだ謝罪会見や企業の謝罪文などを「日本の謝罪道」に基づき評論するコラムです。更新は隔週水曜日。

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