ニュートリノの質量発見20年 「神岡から3つ目のノーベル賞狙う」「若手研究者の待遇改善を」 東大宇宙線研究所長・梶田隆章氏 (2/3ページ)

ニュートリノ研究について語る梶田隆章氏=千葉県柏市(佐藤徳昭撮影)
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 --自身の若い頃とはずいぶん違う

 「そうですね。今は若手のポストがみんな任期付きで、落ち着いて自分のやりたい研究ができない。この20年間でみても、かなり大きな変化だと思う。若手の育成なり日本の科学力の低下という点で、ものすごく心配している」

 --ノーベル賞の賞金は何に使ったのか

 「若手の待遇を少しでも改善しようと、支援基金を立ち上げた。年に1人だけですが、優秀な若手を雇うことで少しでも良い待遇を与えたい」

 --今年の展望は

 「スーパーカミオカンデに続くハイパーカミオカンデの実現に向けた確かな一歩を踏み出したい。残念ながら来年度予算には盛り込まれていないが、ライバルの米国では17年夏から、ハイパーカミオカンデと同じニュートリノ観測装置の工事が始まっている。このままでは技術を持った人たちがみんな米国に流れてしまうので、遅れたくない」

 --ハイパーカミオカンデで何を目指すのか

 「面白いことに、ニュートリノは物質の起源に関係しているかもしれず、その解明に向けた最初の一歩を得たい。もう一つは陽子崩壊だ。これを観測できる保証はないが、今のスーパーカミオカンデに比べて装置の感度が10倍も高い。見つければノーベル賞級で、素粒子物理学にとってものすごく重要だ。神岡から3つ目のノーベル賞を出したい」