事件・不祥事

山中所長を悩ませる予算不足の現状 論文不正は“研究者の薄給”を放置したツケ (3/9ページ)

 捏造した助教も2018年3月末が雇用期限だった

 じつはこうした雇用の不安定な契約社員を安定雇用に切り替えようという政策が「無期転換ルール」だった。

 2013年4月に施行された改正労働契約法の18条では、通算契約期間が5年超の有期雇用労働者に無期転換を申込みできる権利を与えた。

 通算5年のカウントは2013年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象になる。したがって契約期間が1年の場合、更新を繰り返して6年目の更新時を迎える2018年4月1日から労働者は無期転換の申込みができ、1年後の19年4月1日から無期労働契約に移行する。仮に18年4月1日から1年間の契約期間に無期転換の申込みをしなくても、次の更新以降でも申込みができるので無期転換権が消滅することはない。

 厚生労働省では今年の4月1日に無期転換ルールが適用される有期雇用労働者は約450万人と見ている。そして、捏造した助教を含む身分の不安定な研究者も本当はこの対象になるはずだった。

 ところが……。

 ▼研究者の「無期転換」を山中所長は阻もうとしたのか

 大学や研究機関の「有期契約」の教員・研究者などに関しては、無期転換請求権が発生する期間を5年超から10年超に先送り(延長)する特例措置を設けた法律が2013年12月に成立したのである。

 その背景にはいったい何があったのか。

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