リニア談合、大成・鹿島「最高裁まで争う」 検察主導、司法取引“先取り”…異例ずくめの捜査 (3/3ページ)

工事現場に掲げられたゼネコン各社のロゴと、リニア車両と、検察庁の庁舎のコラージュ(共同)
工事現場に掲げられたゼネコン各社のロゴと、リニア車両と、検察庁の庁舎のコラージュ(共同)【拡大】

  • リニア中央新幹線を巡る談合事件で、大手ゼネコン4社の告発について説明する公正取引委員会の真渕博第一特別審査長=23日午前10時、東京・霞が関(共同)

 独禁法に詳しい弁護士は「従来の公取委のやり方を否定するもので、おかしい」と疑問視する。「6月導入の司法取引も視野に入れているのでは」(元検事の弁護士)との見方もある。

 作為的な取引分野

 これまでの談合は、一連の発注を広くとらえ、関連工事全体で立証するケースが多かったが、今回は立件対象を品川、名古屋両駅分に限定した。南アルプストンネル工事の受注も交換条件だったとされるが、立証しやすい部分に絞り込んだとみられている。これについても先の弁護士は「極めて作為的な取引分野の設定だ」と批判する。

 一方、リニアは高度な技術を必要とする難工事。工法の研究に5年以上費やすこともあり、ゼネコン業界には「担当者間で技術面の情報交換をしていただけだ」との意見も根強い。JR東海の意向が強く働いていたケースもあり、もともと自由な競争ができる環境ではなかったとの主張だ。

 大成の関係者は「受注調整かどうかは評価の問題で、公判でも徹底的に戦う」と語り、鹿島の幹部は「間違いなく最高裁まで争う」と強調した。