
昨夏に開催された3人制バスケットボール「3×3(スリー・バイ・スリー)」の国際大会=宇都宮市【拡大】
コートの周りはピクニック場と化した。そして、スポーツがこんなにも楽しいものだと感じたのは、恐らく初めてではなかったか、と思う。当時は、マンガ「スラムダンク」がヒットし、NBA(米プロバスケットボール協会)の公式戦が開催され、ファッションにおいてもアメリカのプロスポーツグッズがタウンをにぎわし、バスケットボールシューズが一大ブームを巻き起こしていた。
その後、原宿に専用施設がオープンし、数多くの3on3イベントが全国各地で開催されるようになり、テレビ番組も放送されるなど、3on3は大きなムーブメントになった。いま考えると、バスケットボールというスポーツが、日本国内であれほど注目されたのは、一昨年にBリーグが開幕するまで全くなかった、と言っていいだろう。名称は「3×3(スリー・バイ・スリー)」となったが、まさか、オリンピック種目になろうとは。
私にとっては、正に、夢物語である。国際オリンピック委員会(IOC)は、近年、夏季・冬季を問わず、若者層へのアピール力の高い競技を正式競技として採用し、オリンピック大会に若者たちの注目を集めることに躍起である。先日、広島でアーバンスポーツの世界的な大会が開催されたとき、会場には多くの若者が集まり熱狂する姿を見せていたことも、IOCが求めようとする姿なのかもしれない。しかし、平昌五輪でも問われたように、スポーツが持つ本質を逸脱した競技の遂行のみを考えた運営には、些(いささ)かの懸念もある。