
衆院本会議で内閣不信任案を提出し趣旨弁明を行う立憲民主党・枝野幸男代表。議場には空席が目立った=20日午後、国会(春名中撮影)【拡大】
6月12日、シンガポールで鳴り物入りで行われたトランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による米朝首脳会談。思うがままに行動し、意に沿わなければ即刻切り捨てるそんな性分の2人、意気投合するのに時間を要しない。しかし、世界中の耳目を集めてのこの華麗な仮面舞台も、終わってみれば猿芝居にも劣る結実ゼロの狂言。猿芝居であれば観客を結構楽しませるのに、それさえどこにも見いだせない。
一枚上の金委員長
当然ながらそこには全世界が嘱望する「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」などどこにも伺い得ない。トランプ氏には時に脅迫まがいの言辞を弄しつつも、舞台に引きずり出した金氏に対し、毅然(きぜん)とした態度で何か一つは解決に至る結論をと期待していただけに失望この上ない。
対する金氏は中国の習近平国家主席と入念な事前打ち合わせを行い、プーチン露大統領、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領とも自分の考え、相手の出方に対する対応について説明し、それなりの了解を取り付けていたに相違ない。懐深く、にこやかな態度に終始する。
トランプ氏が短時間故に具体的な詰めは後に行う実務者会議任せで十分なりと喧伝(けんでん)しているのに対し、金氏は自分の意を体する腹心にしっかりと体制維持はもとより自国への経済援助取り付けを主張させるだろう。つまりCVIDはできるだけ論議を先延ばしにして、あるいは空論化させ、トランプ氏が確約した経済援助だけは要求する。