今年最大のトホホ夫婦? 体操協会・塚原夫妻がやらかした「初期対応」の大失敗 (3/3ページ)

日本体操協会の塚原光男副会長(左)と塚原千恵子女子強化本部長
日本体操協会の塚原光男副会長(左)と塚原千恵子女子強化本部長【拡大】

  • 吉澤ひとみ被告

 「キミ達は何かを注意されたり、怒られると毎回『でも…』から始める。これはダメだ。自分が正しい、というところから入っているのだから怒る人の気持ちを考えていない。正しいやり方は『ごめんなさい。でも…』だ。とにかく順番を変えなさい。まずは謝る。続いて言い訳というか釈明をする、という流れにしなさい」

 「潔く謝った」という言い方もあるように、即座に非を認め、全面的に自分の落ち度を謝罪できた場合、許されることも多い。後になって誰かから詮索されたり、内部からのタレ込みがあってバラされたりするより、自分からすべて言ってしまった方がラクだ。

 結局塚原夫妻の場合も、最初に頑なな態度を取ったからメディアにつきまとわれる結果になったし、何しろ「全部ウソ!」発言のインパクトが大き過ぎて余計な面白キャラと化し、メディアのおもちゃになった感は否めない。

 あれから何とか自らの正当性がないか、宮川選手の非を見つけようとしたのだろうが、「全部ウソ!」断言の後にそれはもはや効力を発揮しない。結局「全部ウソ!」はウソだったのだ。

 告発に至るほどのできごとや、目の前で発生した事故については自分以上に状況をよく知っている人間はいない。少しでもやましい部分があるのであれば、即謝罪をすべきである。他人の心情を変えることはできるが、発生してしまった事実を変えることはできないのだから。

【プロフィル】中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者
PRプランナー
1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『謝罪大国ニッポン』『バカざんまい』など多数。

【ニッポンの謝罪道】はネットニュース編集者の中川淳一郎さんが、話題を呼んだ謝罪会見や企業の謝罪文などを「日本の謝罪道」に基づき評論するコラムです。更新は原則第4水曜日。

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