見えてきた課題
実証実験でサービスを活用した外国人の反応は上々だった。ニュージーランドから訪れたマーカス・ロードさん(30)は「海外に旅行するとよく迷う。こういった技術があればとても助かる」。米国出身のサイモン・シャオさん(26)も「地下だとグーグルマップでは見えない場所があるが、ARならどこでも見えるから便利」と喜んでいた。
一方、課題も多い。案内サービスの実用化を目指す近鉄総合研究所の主任研究員、伊東剛志さん(39)は「お客さまの安全確保が最優先課題」と話す。
ARによる道案内では、「歩きスマホ」を助長する懸念がある。そこで、スマホを持ったまま歩き続けると警告表示を出し、画面が見えにくくなる機能の追加も検討中という。また電車の行き先案内をかざして案内する機能を使う際には、走行中の電車に近寄ってしまう危険も。
地下など屋内における位置情報の精度も改善の余地がある。ゼンリンの北辻統(おさむ)さん(44)は「GPS機能が使える屋外と使えない屋内をうまくつなげ、案内できるようにしなければ」という。
近鉄などは今年からの運用を目指しており、伊東さんは「全ての人が言語を問わず利用できるサービスを構築していく。近隣のホテルや観光地など、鉄道以外とも連携していきたい」と話している。