【風(9)超氷河期の就活】板挟み…「大学」の意味、再考を (1/2ページ)

2010.12.20 17:49

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 前回の「風」では、グループで課題を議論し、結論を導き出す「プロジェクト型」の授業を取り入れる大学があることを紹介した。この大学に限らず、最近は就活生の支援を目的とした講義や講習を行う大学が増えているようだ。

 しかし、読者から寄せられるご意見の中には、こうした大学教育のあり方に疑問を投げかける意見も目立つ。平たくいえば“就職予備校”と化す大学に警鐘を鳴らしているものだ。

 ある大学の男性教授は《いまや外国人が悠々と勉学・研究し、日本人学生はほとんどまともに学ばないまま就活とやらのお祭り騒ぎに右往左往している》と教育現場の実態を指摘。そのうえで、《学ぶべきことすら学んでいない日本人学生の指導はうんざり》とまで述べた。

 また、平成20年に大学を卒業したという社会人の女性は、《かつては新入社員にここまでスキルを求めていたのか》と企業側の採用姿勢を疑問視。《大学で学ぶことには限界がある。学生の本分は学習で、会社は社員を成長させる役目も担っていることを忘れないでほしい》と注文をつけた。

 こうしたご意見を拝見すると、学業と就活との間で板挟みにあい、ストレスを感じているであろう学生の姿が浮かび上がる。実際、愛媛大では今年11月、学生ら約10人が就活に対する思いを主張しようと、「就職活動(開始)の時期が早すぎる」などと記したプラカードを掲げて松山市内を行進する出来事があった。