そんな気持ちに変化が生じたのは、約半年前のこと。知り合いが事業を起こしたのですが失敗し、再就職に苦労しているという話を聞いたことがきっかけでした。最初は「私は仕事があるだけましだ」と思うだけだったのですが、よくよく考えてみると「なんだかんだいって15年間も続けられたということは、自分にとって居心地のいい、やりがいが持てる仕事だったということではないか」と思うようになったんです。
それからは、「変化がないのはつまらないことではなく、私がやるべきことをきちんと全うしているからスムーズに流れているんだ」と仕事に対する捉え方が変わりました。経理職として淡々と、トラブルなくやり続けること。これが自分にとっての一生続けるべき仕事なのかなと思っています。
【Case4】30歳で見つけた、ITエンジニアのDさん(34歳・男性)
30歳の時、自社で始めて取り組むECサイトの開発PLを任されることになりました。社内開発のため、企画そのものは数年前から立てられていたのですが、仕様書などはなかったため、最初の設計や各方面との折衝、開発担当の下請け会社との調整などを行うところからスタート。当時のプロジェクトメンバーは、私と入社2年目の後輩の2人だけで、ほぼ私一人で担当しているようなものでした。また下請け会社のサービスレベルが低く、何度も細かいチェックが必要になったり、サービス開始直前に仕様変更があるなど、不測の事態が続き、カットオーバーの予定日を1週間ずらすことにもなってしまいました。何日も家に帰れず、その状況を見かねて、社内でも「要領が悪いのでは」と非難されることもありました。