社員が使うパソコンはトリプルモニター形式=大阪府吹田市【拡大】
採用は“体験入社”で人物を見極めてから
また、前身の社名の「イー(1)・シー(4)」にちなみ、社員の配偶者の誕生日に1万4千円を食事代として支給する「バースデー制度」もある。
社員がパソコン画面に集中できるよう、さまざまな気配りをしているが、だからといって、人付き合いができない社員になってしまっては困る。山本社長は「徹底的にITを追求しますが、コミュニケーション能力は重視している」という。
たとえば採用時の面接。書類審査や面接に多くの時間をかけるのは非効率的。「面接は自分のいいところしか見せようとしない」(山本社長)と、「体験入社制度」を導入。1次面接をパスした人材は2日間、職場で実際に働き、ランチや飲み会を通じて社員と接してもらう。
「入社してから会社に合っていないのが分かったというのでは、会社も社員も不幸。夫婦にたとえるのなら、お見合い(採用試験)と結婚(入社)の間に、同棲(体験入社)を挟むわけです。2日間一緒にいれば分かります」と山本社長。
効率化というと、なんだか“冷たい”イメージを連想しがちだが、同社にとっては社員を大切にするカギ。徹底したIT化によって、業績と社員の満足度を同時に向上させている。(宇野貴文)
◇会社データ◇
本社=大阪府吹田市内本町2-21-8
創業=平成12年
事業内容=ソフトウエア開発
売上高=非公表
従業員数=30人