もちろん銀行だけに、金融に関する本も多い。“21世紀型恐慌”について描いた『グローバル恐慌~金融暴走時代の果てに』(浜矩子著、岩波新書)や、昭和初期にインフレかデフレかをめぐって、現在と似た問題に直面していた日本経済を描いた『高橋是清と井上準之助~インフレか、デフレか』(鈴木隆著、文春新書)など。
この本を課題にしたときには「インフレかデフレか」をめぐって、予想外に関心が高まった。このため昨年11月の画竜塾は、ディスカッションだけをするスタイルに変更、出席者が文字通りケンケンガクガクの議論を繰り広げた。
まず、インフレ派とデフレ派に分かれて討論。大方の意見が出尽くした後、どちらが正しいかを改めて聞いたところ、インフレ支持派が圧倒的な人数になったという。
「本当に円安インフレでよいと思うか。給料が上がらずに、物価だけが上がったらどうするのか」。頃合いを見計らって、柏原会長はあえて反対意見を投げかけた。むろん、議論を深めるためだ。