「よりそいノート」の導入に熱心な大木教久医師。「みんなで見守る必要がある」と、医療と介護の連携の重要性を強調する=神奈川県茅ケ崎市【拡大】
ネットワークは県と県医師会が運営。病院とかかりつけ医、調剤薬局が電子カルテと服薬情報を共有しており、介護機関の加入に向けて準備を進める。一方、ノートは家族が気づいたことを関係機関で共有するために使う。県内4市で昨年度からモデル事業を実施しており、今年度内をめどに県全域に広げる。
新潟県三条市と市医師会は、早期発見の願いも込めた「認知症予防のためのいきいき手帳」を作成し、6月から4千部を配布した。市担当者は「医療機関の検査で認知症の種類や進行度合いが分かれば行動が予測でき、適切な対処で家族の負担を軽減できる。家族と一緒に考えることで精神的な負担の軽減にもつながる」と話している。
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個人情報共有 普及に課題も
認知症患者が携行するノートは医療と介護の現場での情報共有に期待が高い一方、普及に課題もある。患者の個人情報を取り扱うため、患者や家族の同意が必要となる。このため、医療機関などを通じて配布された部数の全てが使われているわけではない。
また、ノートへの記入は診療報酬対象外のため、医師の理解と協力も欠かせない。
広島県は昨年度のモデル事業で300件の利用実績があるが、神奈川県は活用状況の実態調査に乗り出すため、9月補正予算に50万円を計上したばかり。効果の検証はこれからだ。